この写真ね
そうね5年前くらいかな
私が最も愛した利用者さんのお家で
夜中にプリン食べてる私です
この当時管理者だった私の写メを撮ったのは今の管理者松井さん
この一枚に色んな想いが浮かびます
独居だったから
心配で夜中に様子を見に行って
もう、既に朝まで居るつもりの私ね
この時期、スタッフには言わないで
よく泊まったわ
昼夜逆転どころの話じゃないのよ

90歳過ぎてターミナル期になるとね
二日間寝たりするの知らないでしょう？
時間が延びるの
長く寝る様になると旅立ちが近づいて来てる気がしてね
目を開けた時にニコッって
「おはよう、居るよ」って言ってあげたくてね
夜中に真っ暗だと嫌じゃない？
不安になるじゃない？
食べ物持ち込んで静かにしないでテレビつけて側に居る様子を
松井さんは私の気持ちを感じ取って写メしたのだろうと思うわ
なんとなくなんだけど
訪問看護師の本腰入れた気合って
こんな場面を共有しながら
部下は自分で育っていく気がするんだけどね
すごく好きな写真でね
介護ベッドに寝てる○ちゃんの顔は映らない様に編集したけど
とてもスヤスヤと寝てて
愛おしい顔してるんです
私は凄く愛してたわ
私の家に連れて帰りたいくらいの毎日でね
それが原動力になって今の私が居るんだろうな
目が覚めたら食べたいものが食べられる様に
ゼリーやみかん🍊やプリンを買い込んでいくんだけど
賞味期限が来たら私が食べるの
なんせなかなか起きなく
起きた時に話したかった想いが溢れてる私なんです
起こさない様にしながらも
時々撫でたり
オムツ替えたりしながら
起きないかなぁって思ってたのよ
目を開けたらキスしてた
この方を看取らせて頂き
私は管理者を降りる事を心に決めたんです
私が訪問看護をするって決めた時も
ある1人の方の看取りを病院でしたのがきっかけでね
人は人により変化するのね
今でも時々、この方が現れては
私にこう言うのよ
「な〜んしよっとばい！
しゃんとせんね
あなたがしてる事は大事な事だから
後に続く人たちにしてやらにゃならんばいね」
いつも、そう言ってた言葉を繰り返しながら日々を見られてる感じなんです
最後にいつも言ってたの
「叶えにゃならんのよ
それが役目だからね
私にはわかるんよ」
最後まで尊敬する有終の美でした
亡くなってわかったんです
寝たきりになる直前に
葬儀屋に行き、全ての申し込みをしていました
93歳で葬儀屋さんに自分の葬儀の流れを打ち合わせに秘密で行ってたんです
言えば良かったな
「終活なんてしなくて良いからね
私が全て段取りするから
まだまだ長生きしてね」
って
もっと大胆に
もっと出しゃばって
もっと積極的に
訪問看護師は動いて良いと思います
たくさんの看取りを経て
本当に思う
私がこの方を看取ると決めるって事は
そんな看護をして良いって事だと今思う
こんなに全責任を取りたいと思えるくらい
全てを知っててあげたかったと思えるから間違いないわ
それが出来るように関わって行く事がプロなんだと
この方が教えてくれた気がする
周りに色々言わせないくらい
その方が喜んでくれる事を全て出来るくらいの訪問看護師になれば良いのよ
「な〜んも心配する事は無かろうね！
そんな顔しなさんな
あなたはぜ〜んぶしてくれとるやないね
いつもこれ以上の事はないんよ
あなたを見ながら若い子達がしっかりしていってるやないね！
あなたが私を心配したらおかしいとよ」
田川弁の心地良さと彼女の尊い人間性に包まれて看護させてもらえた思い出
看護が見えた！
と感じた頃の私のプリンを食べてる姿は全てを語るなぁ
この頃の私の気持ちを誰にも話せなかった
もう少し必要だろうな
話せる様になるのは
いや少し松井さんはわかり始めてきたから
突然、この写メを今頃送って来たのかもしれないな
経験値って大切なのよね
同じくらい経験した子が出て来たら
話したいな
その時は私は何をしてるのだろうか
