まだ亡くなって１年経たない訪問看護で担当だった3歳の子が
夢に出て来て、その子のお母さんの姿になったり
またその子の姿になったり
繰り返しながら夢に出て来 た って電話で生きてて欲しかったと泣いた
あの子はね
貴女と出逢って
貴女に看護の一本の軸を与えてくれたんよ
そんなの要らん！
そんな為になんか、ならんで良いんよ
生きてて欲しかったんよ
生きてて欲しかったと仕切りに言いながら電話で
しゃくり泣くんです
泣き止まないその嗚咽と
その子への愛情がとめどなく
生きてて欲しかったという
言葉に繰り返されて
一言聞いた
命日はいつ？
29日・・・
今日と同じだ！
だから夢に出て来てくれたんだね
貴女の近くに居るからって言いたいんだよ
お母さんに電話してみてごらん？
あの子がお母さんに電話して欲しいのよ
お母さんが悲しんでて苦しいのかもしれないよ
千尋の電話で励ましてあげて欲しいんかもしれんね
お母さんに何か起きてるかもしれんから
その命日のメッセージに素直に動いてごらん
年末に一回電話したんよ
誕生日だったから
でも、お母さんが
居ないから、寂しいバースデーですけどね
って言って私も悲しくなった
良いのよ
悲しみを一緒に分かち合ってくれる訪問看護師さんが居てくれたと嬉しかったと思うわ
亡くなっても誕生日を忘れないで居てくれた事は悲しさを飛ばす瞬間だったと思うわ
でも居ないから
生きてて欲しかった
とまた泣いた
あまりに泣き止まないから
私も泣きそうになって
そんな彼女の想いを鎮めようとお経をあげた
最後まで電話を切らずに
千尋はずっと通話にしてた
泣くのが緩やかに止まって行くのがわかった
亡くなった人の悲しみも
見送った人の悲しみも
鎮める事は不可能だけど
そうやって私たちは
命を使い果たすべく生きて
訪問看護師として素晴らしい成長を遂げて良い看護観を行動に変えて社会に還元していますね
良い看護がしたいと看護師達は言うが、
良い看護をさせてもらえたと本当に思えた時は
そんな事させてくれてなくて良いから生きてて欲しかったと言ってしまう事に気づいている看護師はどのくらい居るのだろうか
良い看護なんてしたいと思うことなんて、どうでも良いから
生きてて欲しいとだけ願って看護する様になってしまうと
自分がという思いは消えてゆくのだろうね
