そんな日々の中で
Hナースと松井ナースと私の
スケジュールを気遣いながら
交代したりもしましたが
ほぼ、Hナースは自分の仕事をズラしたりして訪問を続けた看護魂の姿勢は
私達を喜ばせてくれました
私達もまた
そんな日々を繰り返して来て今があり
自分の疲れなど顧みず
飛び出して行きたい気持ちを共有できる時間でした
家族もまた
切れ目ない介護の中で
疲弊した顔も見せずに
常に明るく
常に温かく
お父さんに触れてケアをしてくれました
完全なる看取りチームとして存在するタッグ体制が構築されて
私達は家族を支える意識ではなく
より良い看取りを予感出来て
ドラマチックなロマンチックな
会話を幾度となく現場で繰り広げる事が実感出来ました
そして時は熟しました
明日、特別指示書が切れる日が来る
そうなれば
介護保険に切り替わり
枠外の支援は私費支援になります
私はそれはそれで良いと思っているナースです
その自論は
燃えて生きて蓄えたお金は生き様であり
それを残された子孫がどう使うか
本人のお金を家族が
本人の旅立ちに存分に使うか
使わずに残すか
それは、幾度となく看取らせて頂いてきた私にとって
良い悪いではなく
本人の生き様であり
残される者の生き様であると
受け止めております
どんな風であれ
それが個々の人生観、死生観
その人生の遍路道の足跡
それら全てを見せられる私達の
宿命だと受け止めます
ですが、娘さん達は
何も惜しまず存分に介護すると覚悟を決めて居るのも感じましたので
何も臆する事なく
天寿という万物一体として
自然に構えておりました
当社には過去の支援で残ったので使って下さいとオムツがたくさん倉庫にありました
持ち込み、買わないで余ってるのでこれを使って下さいと渡すと
じゃあ、お父さんの使わなくなったトレーニングパンツと交換して下さい
と笑顔で仰る計らいに頭が下がりました
夕方の支援を終え
Hさんが退室した後に
気道の確保をしながら
呼吸がしやすい様に枕を工夫したりしてる様子に
娘さんが呼吸が苦しいのではないかと不安になっていると聞いて
以下の返答を送った
普通に呼吸をしているという行動に
私たちはどれだけの筋肉を使っているかを話してあげて下さい
そしてその筋肉は
日々の生活行動により鍛えられていて
筋力は維持されています
お父さんは動けなくなり寝たきりである事から
1日の不動が私たちの10日分の筋力を消滅させていきます
例えば一週間の寝たきりで通常の人でも
歩けなくなります
若ければその復活も早いのですが
老いた肉体では復活も
一週間の寝たきりで
リハビリは3倍の筋肉リハビリが必要とされます
ならばお父さんは
何日間の寝たきりであるかを考えた時
起きて呼吸する動作に比べて
筋肉の連動が途絶える寝たきりの呼吸筋は
かなりの衰えを誘発します
当たり前に呼吸している行動が私たちの呼吸とは異なって見える理解の仕方を話してあげると良いかと思います
呼吸筋が色んな筋肉の連動により成り立っている事
その連動が出来なくなっているだけで
呼吸が苦しいのではなく
周囲の残存筋力を全て使って呼吸している様子である事を話してあげて下さい
サチュレーションが落ちていなければ
呼吸の苦しさはなくて
酸素は充分に入ってます
お父さんは肺機能は問題ないですからね
と送った直後に
お父さんの呼吸が止まったと連絡が入りました
急いで私も出動しました
駆けつけながら信号で止まった時に
支援から戻った時間も
お父さんの呼吸について
メッセージを送ってくるHさんの一心不乱な看護に感動しながら
ナース全員にメッセージを送った
続く