投稿日:

素敵な女医


下方に動画あり↓

昔でもないが、10年前くらいに一緒に働いてた循環器の女医先生が
突然、遊びに来てくれました

犬達に吠えられ寝そべる先生の人柄が伝われば良いなぁ
外来で働いてる時は周りのナースさん達から厳しいと言われてたけど
私はその厳しさが患者さんを思う義と理を尽くしてる厳しさにしか受け取れず
すっごい尊敬してて大好きでした
めっちゃ凛としてて屈しない医師でした

そんな先生を捕まえて外来診療の合間に
私が自分勝手に色んな話をして
先生を笑わせて診療の邪魔してた気がするわ

合間で不思議に感じた心臓の事を質問すると丁寧にとことん詳しく教えてくれました
教えてもらえた事が今、訪問看護に活かせてる気がしてます

10年前のあの頃、印象的だった言葉があるんですけどね

あなたは、ただ者じゃないわよ
才能が豊かな気がするのよね〜
ぶっ飛んでるわ
っていつも言ってた  笑笑

それから先生が他の病院勤務になって
しばらくして私も訪問看護を立ち上げてチラシ持って挨拶に行くと

うわっ!出た!ほら!来た!
やっぱりただ者じゃなかったわ
どこで修行してたのよ
と笑ってくれた

その後に、死なせてなるものか!と毎日訪問してた一人の94歳の利用者さんが入院して偶然に先生の担当になったんだけど
家に帰りたいと言ってるわ
家に帰らせる?って電話くれて

うん!待ち構えるわ
って言うと

そう言うと思ったわ
呼吸が持つかわからないわよ

持つよ!神様が必ず叶えるわ
そんな生き方してきた方なの
って返したら

そうか、そうか
あなたがそう言うなら叶うわね
よーし!段取りして間に合わせるわよ

この利用者さんを自宅に返す先生とのやりとりは
私にとって凄い確信をくれた事をまだ話せてないのだけれど

この時に私は
私のしたかった訪問看護はやっぱりこれなの!って確信したの
その実感を湧かせてくれた医師が
この偉大なる女医先生なんです

凄まじかったわ
先生ったら救急車搬送するわよ
着くまでに呼吸が持ってくれる事を祈りながら待ち構えててよ!

了解!
ほら空を見て!
小雨が降り出した
こんな事は山から神様が降りて来る時なの
晴れの小雨が示してくれてる
大丈夫だから
先生!気をつけて来てね

OK!!

あの時の先生のOK!!って声を今でも忘れてないんです

到着して、ベットも点滴台も全てスタンバイしてて
離別してた娘さんも泊まり込みで側に居てくれる段取りもしてて
完璧な看取り体制にして

近くの橋の所まで
おっしゃ!来い!救急車!
って両手を空に挙げて
天に手を合わせた
小雨が顔に降り続けて
すごく気持ちよかったわ

救急車がカーブから見えた時
両手を振りながら
一緒に走って誘導した

呼吸は浅く頻回でした

がんばれ頑張れ!って思いながら
目を開けて!
家に帰って来たよ!
帰れたよ!
って言うと

目をパチっと開けて
有難うって言ったの

先生は凄く驚いて
今まで意識が朦朧として目も開けなかったのに
凄いわ!驚いたわ
って目をキラキラしてくれた

先生有難う
本当に有難う御座います
先生だから出来たと思う

何言ってんのよ
こんな事なら、いつでも誘ってね
後は任せたわ
訪問看護師がいてくれたから、返せたのよって颯爽と帰って行った

実は、その利用者さんの住んでたアパートは2階の部屋で大家さんから
ここで死なれた困るから出て行って欲しいと言われて
入院前に私達はアパートの1階の部屋を探し回った

なかなかなくて94歳の方の独居入居はどの大家さんも断った
諦めれば入院し病院で旅立つしかないパターンだったけど
ご本人は病院は嫌だと言い張った

困り果てた時
当社ナースが、うちの親のアパートが一室空いてるらしくて
親が良いって言ってくれたから
と言った
あー説得してたのだろうなと感じたわ

それから引っ越し屋さんを頼むお金も段取りする時間も無くて
当社のナース全員と子供達も引っ張り出して
みんなで引っ越しをしたの

いらない家具は
トンカチで叩き割り廃材みたいにして
ゴミ処理場に何度も運んだ
2日で引っ越しを済まし
離別で音信不通だった娘さんを説得して
会ってもらうと
私が父を看取りますと言ってくれたんだけど

お父さんの状況が変化時にパニックになって救急車を呼んでしまい
救急病院に搬送になった

そこで主治医がこの女医先生になったとわかり、私は飛び上がり喜んで
本人が家で旅立ちたいとずっと言ってた事を言うと

そうだろうね
ベッドの上で暴れて
看護師達を殴ってるわ
あははは
帰りたくて仕方ないのね
帰す?

そこから始まったストーリーが
私にとって
訪問看護師が粘れば叶えてあげられると怯まないで叶える看護をして行けると思えた

だけどね
それも今は思うのだけど
そのご本人の素晴らしい生き方と
信念が叶えた運

そしてそれを叶えようとする医師の
志という医の世界

家族に伝える本人の代弁者としての訪問看護師が揃ってないと
天は叶えなかったと思う

それから1週間半程して
静かに娘さんと2人っきりの時に旅立ちました

夜中に一回そっと訪問すると
ベッドに座って朦朧としてるお父さんの手を握り
優しく見守る生き別れの娘さんの姿を見た
これで良かったんだと思えた

あの時のメンバー達は
何で訪問看護師が引っ越し屋?
なんて誰も言わなかった
みんなこれしかない!って顔して
我が子も引っ張り出してトラックに荷物を何回も階段を行ったり来たりして運んだ
あのエネルギーも報われる
その晩の娘さんの優しい姿だった

一回パニックになって搬送したから
家で看取ると思えただろう
全てが仕組まれて必然だった看取り

亡くなってから
娘さんが片付けをしてたら
たくさんの記念コインや
ネットで何百万で売買されてるコインがザクザク出てきた

全て生き別れになった子供達に残してやろうと
長い間働いてコインを買い続けたのだと娘さんは知った

そうなの
私にいつも、これは娘に
これは息子にって話しながら見せてくれてたんです
離婚して妻がおそらくワシの話は
良い話はしてないから嫌われてるだろうけどってね

だけどね
私はたくさんの方を看て来てわかるの
お父さんは頭の良い方でね
どうやってお金を残すのが一番財産になるか知ってのよ
価値が上がる物を換金して貯めて
凄く辛抱した生活をして来たのだと思う

大正、昭和の物を修理して使い続けてて余分なものはなくて
部屋にある物は全てマニアにはたまらない物が多いですから
古物商に持っていって鑑定してもらってから手放すと良いですよ
コインはネットで調べるか
都会の鑑定士に頼んでみて下さいね

きっと驚くような財産が手に入りますよ
それが遥々、泊まり込みで生き別れのお父さんを看取った娘さんへの素晴らしいプレゼントなんですよ

それくらい価値ある旅立ちをさせてくれたんです
看取ってくださり有難う御座います
立派な看取りでした
と電話を切った

訪問に行ってる時にあの方が
一つコインを差し出して
あんたにあげる
と微笑んだ

要らないですよ
私はもう充分なんです
頑張って戦争も行って
そしてこんな風に生き抜いて来た姿を見せてもらえて
何も必要ないです
どうか娘さんに会えたら渡して欲しいと返した

後にその一枚のコインすら300万の価値に上がっているのを知って驚いたわ

おそらくあのコインの山は
時代を跨いで物の価値が変動する中で
彼の離れ離れになった家族への熱い想いが価値になった気がする
億の桁になるだろうコインの山は
その想いを表現して娘さんの手に渡ったと思う

そして私達もお金を気にせず
無償で社員一同であの引っ越しをしながら頑張って生きて来た高齢者さんの一念を遂げさせる事業という方向性を持てた集団となれた気がした

億万長者の94歳の方を無償で
汗流して引っ越しした訪問看護師達は億を超える仲間の価値を得たと思う

そして又、大好きだった10年前の女医先生を
その方の連携で更に惚れ惚れした価値も大きい

救急病院の医師が救急車に同乗して
息絶えそうな患者さんを自宅に返すなんて、そうないぞ!!
私どころじゃ無く
この女医先生こそが
ただ者じゃね〜ぞ!

救急車から飛び降りて来た瞬間の
先生の姿は一生忘れんわ

後は任せた!
と言われる訪問看護師が
これからの時代も続々と増えると良いな

訪問看護師は縛りなんかないぞ
報酬算定をもらわなければ
全てやる事は互助ですと粘れば良いのさ

そんな事より目の前の方の
その命
その魂
その念
を叶える使命がある事が

訪問看護師の魂の使い方であるから
魂の救い手と言えるんだ

時を超えて
この命の人生の中で
出会った方々全てに意味があり
再会して意味を知る

歳を重ねながら意味に気づいて行けるから長生きするべきなんだよ

長生きしたから
生き別れの娘さんに看取ってもらえたんだ

看取りが終わり娘さんが泣きながら話してくれた
お父さんが死ぬ前の晩に私は急に思い出したの
生き別れになって数年経った時に
突然お父さんが現れて、小学校1年の時にデパートに連れて行ってくれて
凄く高級なコートを買ってくれたの
学校に行くのに寒くないようにって買ってくれて別れたの

家に帰るとお母さんが
新しいお父さんにわからないように
そのコートどうしたの?!ってこっそり聞いて来て
お父さんが今日買ってくれたと言ったら
取り上げられて
再婚して貧乏だったからたぶん質屋に売られたと思う

お父さんね、シベリアの戦争に行ってたみたいでね
極寒の山越えの時に重い鉛の爆弾を抱えて運ぶのは重さより寒さが辛かったって話してくれた事があるの
おそらく寒さを娘さんに味合わせたくなかったのね
苦労してる事、知ってたのかもしれないね

2人で泣いて元気に生きて生き抜いて行こうねってサヨナラした

動画クリックどうぞ!!


 

かがやき訪問看護ステーション
〒874-0042 大分県別府市鉄輪東3組-5
TEL 0977-85-8401 FAX 0977-85-8402
完全365日24時間緊急連絡及び対応あり
緊急連絡先【看護】TEL 070-5481-8405

関連記事

講和

講和

当社のケアマネージャーさん3人に講和を1時間した 白板を用いて熱く語った お題は質問形式でした 素敵 …

シコを踏む

シコを踏む

  この訓練がとても身体には宜しいようです 長崎からお越し下さった小畑さんが 教えてくださ …

傷の治し方シリーズ☆4

傷の治し方シリーズ☆4

見事に皮膚をかぶせた部分は治っています皮膚がめくれて剥がれたままだった所は新しい皮膚が上皮化され再生 …

最近の投稿

2024/02/16

PTEGの伝達講習

2024/02/16

言語聴覚士さん

2024/02/13

社内講習☆3

2024/02/13

社内講習 ☆2

2024/02/13

社内講習