ナースストーリー ～第3話～

ユマニチュード

所長！
話したいです！
どんな意味かわかりません

会って話そうね

相談室で2人で話した

この方の支援で貴女がどう受け止めたか話してくれる？

はい！
私は・・・

話を聞きながら
もう既に私はその受け取り方を
可愛くて愛おしくて
23歳の訪問看護師を抱きしめてキスしたい気持ちになった
抑えながら、じっくりと深く問いかけ続ける

どんどん情熱的に
どう考えて動いたか話してくれた

もし、貴女がこうだったらどう思う？

嫌です！

2人で笑い出しそうになった

問いかけ方をナースさんの事に変えるだけで
はっきりと嫌です！と答えるなんて
あまりに早い返答で
その素直さに2人で驚くほどで笑い出した

そう人はね
他者の事だといとも簡単に言っちゃうの

それが言われたらすごく嫌だなって感じる事に気づくのができなかったりするの

良かった
わかってくれて

良かった！気づけて
所長！ありがとうございます

その方がなぜ飲めないのかを考える前に
嘘をつかれたと
自分が主になってしまった事を恥じていた

嘘をつかれたのではなくて
嘘をついてしまうほど飲みたくなかった気持ちは何故かを知りたいと思うか

どうしても飲みたくない理由なんてしりたくなっちゃう！と
即座に感じる相手を知ろうとする心こそが訪問看護の真髄だと思うのよ

まずは飲むことが
長期目標で
私達は今始まったばかりよ
なぜ飲めないのか
どう考えてるのか
何がそんなに不安なのか
孤独さを消せるのか
それが短期目標だね

中に入らせてくれるかどうかなの

あの方の娘さんくらいの年が貴女よ
可愛がってもらえるように
あの方をわかってあげられるか
ってことだと思うの

そうでした！
次の支援は少し違う看護ができると思います
あーあ
私って！
我が出たなぁ
我を消さないとなぁ

我があるから強くなれるの
強くなるから優しくなれるの

私も強いでしょう？

めっちゃ強い！！

でも叫んだり怒ったりしないでしょう？

うん！しない！

それは強さは怒ることじゃないってことなの
強さは信念でね
なんとかしてわかりたい
わかって絆を作って
本当に良くなってもらいたいと思う信念を譲らないぞっていう強さなの

所長が
こうするわよ！って言ったら
めっちゃ気合い入ってて
はい！って言ってしまうもんなぁ

そう気合いが伝わるのよね

そしてその気合いに愛情があれば
伝わるのよ
その伝わった想ってくれてるって感じが
相手をとかすの

それをホスピタリティなんかより
はるかに厳かな
ユマニチュードって言うのよ

ユマニチュードの理論さえ私だけの理論があるの

自分の主なんて意味がない
相手の主
相手がどう感じるかの極限の勲章をもらえるわ

あなたが生きてて
私が生きてて
そのハーモニーが音楽のように流れる空間

それはとてもこの世のものとは思えない
あたたかいほんわかした
愛してしまったわっていう
互いのハーモニー

味会えるようになった時
あなたは魂の救い手となってる

ユマニチュード
間違えないでね
マグニチュードと

あはははは