８月２１日の看とり☆2

主治医の先生の病院からお借りしていた車椅子と
当社から急遽、持ち出したポータブルトイレと吸引器と
たくさんのオムツと
エンゼルケアセットを
抱えて5人でご挨拶をして

2年目の岸野ナースさんと
2人で先にエレベーターに乗り込み一階に着いて降りた時

良く来たね
有難う
どんな気持ちかな？

それまで堪えていたのでしょう
プロになりたいと鍛えてきた1年半の訪問看護師として
泣かずに耐えてラストケアをしていたのだと知りました

一気に力満ちていた目から大粒の涙が溢れてきて
目がみるみる真っ赤になってゆきました

再度昇降したエレベーターから
3人が降りて来た時には
岸野ナースは悟られまいと
元気な声出して顔を上げずに移動しようとしました

遮る様に3人に
待って？泣けて仕方ない人が居るの

3人は即座に岸野ナースを見て
あははは
えへへへ
そうかそうか
と分かち合いました

帰宅途中で戻ってきた板倉ナースに
みんなが
荷物は貰うから
明日の勤務でしょう
そのまま直帰しよ！

いや！事務所に戻ります
帰らないです！
絶対帰らない！と言い放ち
荷物を渡しませんでした

ポータブルトイレを抱き抱え
細くて痩せたその身体が
逞しい頼れる大きな身体に見えました

5台で別れて帰る道中に
ふと前の車を見ると
6210というナンバーでした

私の６月２１日の数字だな
これで良かったのだ
天はまた一つOKをくださった
と思った

そして、帰りながら信号で停まった時に
2年目の2人に
そのエピソードを送ると

こんなラインが来て事務所に着いた